売り手市場が続き、求職者の企業選びの目はますます厳しくなっています。数多くの企業の中から自社を選んでもらうためには、企業の魅力を的確かつ客観的に伝えることが不可欠です。
そこで注目されているのが、採用サイトの「数字で見る」コンテンツです。求職者が本当に知りたい情報を客観的なデータで示すことで、企業の透明性や信頼性を高め、採用競争力を大きく向上させることができます。特に近年、人的資本経営への関心が高まり、情報の透明性は「選ばれる企業」の絶対条件となっています。
本記事では、「数字で見る」コンテンツがなぜ採用成功の鍵となるのか、その理由と導入効果を解説するとともに、先進企業の成功事例から学ぶ具体的なコンテンツ作成ガイドをご紹介します。
目次

「数字で見る」コンテンツが採用成功の鍵となる理由
「数字で見る」コンテンツは、単に企業のデータを羅列するものではありません。求職者の心理を捉え、企業の魅力を効果的に伝えるための戦略的なコミュニケーションツールです。ここでは、このコンテンツが採用活動においてなぜ重要なのか、3つの具体的な理由を掘り下げて解説します。
求職者の信頼を獲得:客観的データがもたらす説得力と透明性
企業の採用サイトには、「風通しの良い社風」「若手が活躍できる環境」といった魅力的な言葉が並びます。しかし、求職者はそうした主観的な表現だけでは、実態を判断しかねています。そこで力を発揮するのが「数字」という客観的な事実です。「平均残業時間」「有給取得率」「社員の平均年齢」といった具体的なデータは、言葉だけの説明よりもはるかに強い説得力を持ちます。数字に基づいた情報を積極的に公開する姿勢は、企業の透明性や誠実さをアピールすることに繋がり、求職者の信頼獲得における第一歩となります。
「知りたいけど聞けない」情報を提供:応募者の不安を解消し、企業理解を促進
残業の実態、給与水準、離職率といった情報は、求職者が最も知りたい情報の一つですが、面接の場では直接聞きにくいと感じる応募者が大半です。こうした「知りたいけど聞けない」情報を企業側から率先して開示することで、求職者は入社後の働き方を具体的にイメージでき、不安を解消することができます。ミスマッチによる早期離職のリスクを低減させるだけでなく、応募への心理的なハードルを下げる効果も期待でき、より多くの優秀な人材からの応募を促進します。
企業の魅力を直感的に伝える:インフォグラフィック等による視覚的訴求効果
事業の成長性、社員の多様性、働きやすさといった企業の強みは、文章で長々と説明するよりも、インフォグラフィックなどを用いて視覚的に示すことで、より直感的かつ効果的に伝えることができます。特にスマートフォンの普及により、短時間で情報をキャッチアップしたい求職者が増えているため、パッと見て理解できるデザインは、サイト離脱を防ぐ強力な武器になります。
採用サイトで「数字で見せる」べき主要データカテゴリーと具体例
現在、女性活躍推進法や育児介護休業法の改正により、特定の項目については公表が義務化・推奨されています。単なる紹介に留まらず、コンプライアンス(法令遵守)の観点からも以下の項目を整理しましょう。
| 会社概要・事業規模 | 設立年、売上高推移、従業員数推移、業界シェア |
| 社員構成・多様性 | 平均年齢、男女比、中途採用比率(公表義務化対象)、管理職の女性比率 |
| 働き方・勤務環境 | 月平均残業時間、有給休暇取得率、男性の育児休業取得率(公表義務化対象)、リモートワーク導入率 |
| キャリア・教育制度 | 年間研修時間、資格取得者数、キャリア面談の実施率 |
| 組織風土・社内文化 | 社内イベント開催数、クラブ活動の数、社員満足度スコア |
「数字が良くない」場合はどう見せる?誠実さを伝える工夫
「残業時間が他社より長い」「離職率が低くない」といった課題がある場合、数字を隠したくなるかもしれません。しかし、現在の採用市場では、不都合な情報を隠すことは逆効果です。
数字が理想的でない場合は、以下の2点をセットで記載しましょう。
背景の説明
「なぜその数字なのか(例:急成長中で案件が集中しているため)」という理由。
改善への取り組み
「現在、システム導入により業務効率化を進めており、来期までに○%削減を目指している」といった具体的なアクション。
課題を認めた上で改善の姿勢を見せることは、入社後のギャップを減らすだけでなく、「誠実で風通しの良い組織である」というポジティブな印象に変換することができます。
先進事例に学ぶ魅力的な「数字で見る」採用サイト5選
理論だけでなく、実際の成功事例から学ぶことで、自社サイトの具体的なイメージが湧きやすくなります。ここでは、独創的で魅力的な「数字で見る」コンテンツを展開している先進企業の事例を7つご紹介します。
ブロードマインド

「平均年齢」「3年定着率」などの基本項目に加え、「先輩上司との相談時間(週平均)」「ボーナスの使い道」といった、社員個人のリアルな働き方や価値観にフォーカスしたユニークな情報が目を引きます。サイトのキーカラーを効果的に使用し、洗練されたアイコンと余白を活かしたデザインで、数字一つひとつが際立つ工夫がされています。
リビエラ

(参照:リビエラ株式会社 採用サイト)
設立からの年数、右肩上がりの売上推移、さらには社員の出身大学や過去の経歴といった多様性をインフォグラフィックで見事に可視化しています。特筆すべきは、「味覚のこと(甘党or辛党)」や「仕事中の飲み物」といったユニークなデータを掲載し、定性的な情報(社風や人柄)を数字の切り口で楽しく伝えている点です。
日立ハイテク

(参照:日立ハイテク 新卒採用サイト)
「数字でわかる!日立ハイテク」と題した専門ページを設け、企業の長い歴史やグローバルな売上状況、従業員構成などをダイナミックなインフォグラフィックで紹介。各項目をクリックすると、さらに詳細なデータや解説が表示されるインタラクティブな作りになっており、ユーザーが能動的に情報を深掘りできる工夫がされています。
ペンティオ

(参照:ペンティオ株式会社 採用サイト)
売上成長率(過去5年平均48.9%)や平均年齢(29.6歳)といった基本情報から、夏期休暇使用率(100%)、有給取得率(76.5%)、平均残業時間(25.6時間)といった働きやすさに関する踏み込んだデータまで、包み隠さず公開しています。この徹底した情報開示が、企業の透明性を際立たせ、求職者からの高い信頼感の醸成に成功しています。
ポーターズ

(参照:ポーターズ株式会社 採用サイト)
人材ビジネス向けのシステムを提供する同社の強みであるグローバル展開を、数字で見事にアピールしています。職種比率や平均年齢といった基本データに加え、自社製品の導入実績国数やサービス提供エリア、そしてグローバルスタッフ比率などを具体的に示すことで、事業のスケール感と国際的な社風を力強く伝えています。
「数字で見る」コンテンツ導入・運用 5つのステップ
魅力的で効果的な「数字で見る」コンテンツは、計画的な準備と運用があってこそ実現します。ここでは、コンテンツを導入し、継続的に改善していくための具体的な5つのステップを解説します。
Step 1: 採用目的の明確化とターゲット(ペルソナ)設定
まず、「誰に(ターゲット)、何を伝えて、どうなってほしいのか(目的)」を明確にします。「成長意欲の高い若手技術者」「ワークライフバランスを重視する経験者」など、具体的なペルソナを設定することで、どの数字を、どのように見せるべきかという方向性が定まります。
Step 2: 公開する数字の選定とKPI設定
Step 1で定めたペルソナが、特に関心を持つであろう情報をリストアップします。「働きやすさ」を伝えたいなら残業時間や有給取得率、「成長環境」をアピールしたいなら研修時間や資格取得者数などが候補になります。同時に、コンテンツ公開後の効果を測定するためのKPI(重要業績評価指標)を設定します(例:ページ滞在時間、応募転換率など)。
Step 3: 必要な数字の収集、整理、社内承認
選定した項目について、人事部だけでなく、経理部、総務部、各事業部など、関連部署と連携して正確なデータを収集・整理します。特に社外秘情報や個人情報に関わる可能性があるデータについては、公開範囲や表現方法について、法務部や経営層を含めた社内承認を必ず得るようにしましょう。
Step 4: デザイン案作成とコンテンツ制作
収集した数字を、ターゲットに最も響く形で見せるためのデザインを検討します。インフォグラフィック、グラフ、アイコンなどを活用し、視覚的に分かりやすく、かつ企業のブランドイメージに合ったデザインを作成します。デザイナーや制作会社と連携し、スマートフォンでの閲覧にも最適化されたレスポンシブデザインで制作を進めます。
Step 5: サイト公開後の効果測定と継続的な改善・運用
コンテンツは公開して終わりではありません。Google Analyticsなどのツールを用いて、設定したKPI(ページビュー数、滞在時間、離脱率など)を定期的に測定し、効果を検証します。データは年に一度更新するなど、常に最新の状態に保つことが信頼性を維持する上で重要です。求職者の反応や採用市場の変化に応じて、掲載内容を柔軟に見直すPDCAサイクルを回していきましょう。
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