WordPressは企業サイトに向いている?メリット・デメリットを徹底解説

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企業の顔となるウェブサイト。その立ち上げやリニューアルを検討する中で、「WordPress(ワードプレス)」という名前を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。世界中のウェブサイトの40%以上がWordPressで構築されているというデータもあるほど、圧倒的なシェアを誇るシステムです。

しかし、「なぜそこまで人気なのか?」「本当に自社のサイトに向いているのか?」といった疑問をお持ちかもしれません。

この記事では、企業サイトの構築にWordPressを検討しているご担当者様に向けて、そのメリット・デメリットから、具体的なテーマ(デザインテンプレート)やプラグイン(拡張機能)の選び方、さらには成果を出すための運用ポイントまで、網羅的に解説します。

企業サイトをWordPressで構築する5つのメリット

WordPressが世界中の企業から選ばれ続けるのには、明確な理由があります。コスト面での優位性から、専門知識がない担当者でも扱いやすい運用性まで、企業サイトを構築する上で見逃せない5つの大きなメリットをご紹介します。

高いコストパフォーマンス

WordPressは「オープンソース」のソフトウェアであり、誰でも無料でダウンロードして利用できます。通常、ウェブサイトをゼロから開発(スクラッチ開発)すると数百万円以上の高額な費用がかかることも少なくありません。しかし、WordPressをベースにすることで、この開発コストを大幅に抑制できます。制作会社に依頼する場合でも、スクラッチ開発に比べて費用を抑えられる傾向にあり、スタートアップから大企業まで、幅広い規模の企業にとってコストパフォーマンスの高い選択肢となっています。

専門知識がなくても更新・運用が容易

WordPressの大きな魅力の一つが、直感的に操作できる管理画面です。まるでブログを書くような感覚で、「お知らせ」の更新や「導入事例」の追加、コラム記事の投稿などが可能です。HTMLやCSSといった専門知識がなくても、テキストの装飾や画像の挿入が簡単に行えるため、外部の制作会社に都度更新を依頼する必要がありません。これにより、スピーディな情報発信と、運用コストの削減を両立できます。

豊富なデザインテンプレート(テーマ)

WordPressには「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートが世界中で数多く開発されており、無料で利用できるものから、より高機能でデザイン性の高い有料のものまで、無数に存在します。自社の業種やブランドイメージに合ったテーマを選ぶだけで、プロがデザインしたようなクオリティの高いウェブサイトを短期間で構築できます。デザインを一から考える手間とコストを削減できるのは、大きなメリットです。

プラグインによる高い拡張性

スマートフォンのアプリのように、後から機能を追加できるのが「プラグイン」です。例えば、「お問い合わせフォームを設置したい」「SEO対策を強化したい」「セキュリティを高めたい」「ECサイトのように決済機能を追加したい」といった様々な要望に、プラグインをインストールするだけで対応できます。ビジネスの成長やウェブサイトの目的に合わせて、必要な機能を柔軟に拡張していけるのはWordPressならではの強みです。

膨大な情報量と活発なコミュニティ

世界中で最も利用されているCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)であるため、関連情報がインターネット上に豊富に存在します。操作方法で分からないことがあったり、何らかのトラブルが発生したりした場合でも、検索すれば多くの解説記事やフォーラムでの解決策を見つけることができます。この情報の多さは、問題解決を容易にし、安心して運用を続けるための大きな支えとなります。

WordPressの知っておくべき3つのデメリットと対策

多くのメリットを持つWordPressですが、万能というわけではありません。導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、事前に知っておくべきデメリットと、それらに対する具体的な対策をセットで理解しておくことが重要です。

表示速度の問題

高機能なテーマや多くのプラグインを使用すると、サイトのデータ量が増え、ページの表示速度が遅くなることがあります。サイトの表示速度は、ユーザー体験(UX)やSEO評価に直接影響するため、軽視できない問題です。

対策

高性能なレンタルサーバーを選ぶ
サイトのデータを保管するサーバーの性能は、表示速度に大きく影響します。WordPressの利用を推奨している、高速なサーバープランを選びましょう。

画像を最適化する
サイトにアップロードする画像は、専用のプラグイン(例:EWWW Image Optimizer)を使ったり、事前に圧縮したりしてファイルサイズを小さくしましょう。

不要なプラグインを停止・削除する
利用していないプラグインは、サイトの動作を遅くする原因になるため、定期的に見直して整理することが大切です。

アップデート管理とエラー発生時の対応

WordPress本体、そして利用しているテーマやプラグインは、セキュリティ強化や機能改善のために定期的なアップデートが配信されます。このアップデートを怠ると、セキュリティの脆弱性を突かれてサイトが改ざんされたり、ウイルスに感染したりするリスクが高まります。しかし、アップデートによって稀にテーマやプラグインの互換性に問題が生じ、表示が崩れるなどのエラーが発生することもあります。

対策

定期的なバックアップ
アップデートを行う前には、必ずサイト全体のバックアップを取りましょう。万が一エラーが発生しても、バックアップから元の状態に復元できます。バックアップを自動化するプラグイン(例:UpdraftPlus)の導入がおすすめです。

保守契約を結ぶ
自社での対応が不安な場合は、サイトを制作した会社や専門の業者と保守契約を結び、アップデート管理やトラブル対応を任せるのが最も確実です。

公式サポートの不在

WordPressはオープンソースソフトウェアであるため、開発元による専用のサポート窓口や電話での問い合わせ対応は存在しません。そのため、問題が発生した場合は、基本的に自力で解決策を見つける必要があります。

対策

制作会社や専門家への相談
最も安心なのは、困ったときに相談できる制作会社や保守業者を見つけておくことです。構築から運用・保守までを一貫して依頼できるパートナーがいると心強いでしょう。

コミュニティやフォーラムの活用
WordPressには公式のサポートフォーラムがあり、世界中のユーザーや開発者が質問に答えてくれます。

Webサイトや書籍での情報収集
前述の通り、インターネット上には豊富な情報があるため、大抵の問題は検索することで解決の糸口が見つかります。

サイトの顔を決めるWordPress「テーマ」の選定基準

WordPressサイトの印象や使い勝手を大きく左右するのが「テーマ」です。一度選んだテーマを後から変更するのは大変な作業になるため、最初の選定が非常に重要になります。ここでは、企業サイト用のテーマを選ぶ際に失敗しないための6つの基準をご紹介します。

デザインの方向性、業種との適合性

テーマには、それぞれ得意なデザインの方向性があります。例えば、信頼感が重要な士業やBtoB企業向けのシンプルで堅実なデザイン、クリエイティブな制作会社向けのポートフォリオが映えるデザイン、飲食店向けの華やかなデザインなど、自社のブランディングやターゲット顧客に響くデザインのテーマを選びましょう。

商用利用の可否とサポート体制

無料テーマの中には、クレジット表記が必須であったり、商用利用が禁止されていたりする場合があります。必ずライセンス(利用規約)を確認しましょう。有料テーマの場合は、開発元からのアップデート保証や、不明点を質問できるサポート体制が整っていることが多く、ビジネスで利用する上での安心感に繋がります。

日本語対応とレスポンシブデザイン

海外製のテーマも多いですが、日本語で表示した際にフォントが美しくなかったり、レイアウトが崩れたりすることがあります。デモサイトなどで日本語の表示を確認し、管理画面が日本語に対応しているかもチェックしましょう。また、現代ではスマートフォンからのアクセスが半数以上を占めるため、PC、タブレット、スマートフォンなど、どの端末で見ても表示が最適化される「レスポンシブデザイン」に対応していることは必須条件です。

SEO対策

SEO(検索エンジン最適化)に強いサイトを作るには、テーマ自体がSEOの内部対策を考慮して設計されているかが重要です。テーマの紹介ページに「SEO対策済み」「構造化データ対応」といった記述があるかを確認しましょう。これにより、検索エンジンにサイトの内容が正しく伝わりやすくなります。

ブロックエディタ対応

現在のWordPressの標準エディタは「ブロックエディタ」です。このブロックエディタに完全対応しているテーマを選ぶことで、テキストや画像、ボタンなどをブロック単位で直感的に組み合わせ、表現力豊かなページを簡単に作成できます。

サイトの規模感との一致

将来的に数百ページ規模のメディアサイトに育てたいのか、あるいは数ページのシンプルなコーポレートサイトで十分なのか、サイトの将来像を考慮してテーマを選びましょう。多機能すぎるテーマは、小規模なサイトには不要な機能が多く、かえって表示速度の低下や操作の複雑化を招く可能性があります。

企業サイトの機能を強化する必須WordPressプラグイン

WordPressの大きなメリットである「拡張性」を活かすのがプラグインです。しかし、無数にあるプラグインの中から何を選べば良いか迷ってしまうかもしれません。ここでは、企業サイトを運用する上で、最低限導入しておきたい必須プラグインを目的別に3つのカテゴリでご紹介します。

SEO対策・アクセス解析系プラグイン

検索エンジンからの集客を増やすためのSEO対策や、サイトの状況を把握するためのアクセス解析は企業サイトに不可欠です。

SEO対策総合プラグイン (例: Yoast SEO, All in One SEO)
ページごとのタイトルやディスクリプション設定、XMLサイトマップの自動生成など、複雑なSEO内部対策を簡単に行えるようにします。

Google連携プラグイン (例: Site Kit by Google)
Googleアナリティクス(アクセス解析)やサーチコンソール(検索状況の分析)といったGoogleの公式ツールを、WordPressの管理画面上で簡単に連携・確認できるようにします。

セキュリティ・パフォーマンス向上系プラグイン

世界中で利用されているがゆえに攻撃の標的にもなりやすいWordPressでは、セキュリティ対策が必須です。

総合セキュリティ対策 (例: SiteGuard WP Plugin, Wordfence Security
ログイン画面の保護、不正ログインの監視、ファイアウォール機能など、様々な脅威からサイトを守ります。

バックアップ (例: UpdraftPlus)
ファイルとデータベースを定期的に自動でバックアップし、万が一の際にサイトを復元できるようにします。

キャッシュ・最適化 (例: WP-Optimize, LiteSpeed Cache
サイトのデータを一時的に保存(キャッシュ)することで、ページの表示速度を高速化します。

ユーザービリティ向上系プラグイン(お問い合わせフォーム等)

サイト訪問者との接点を作り、利便性を高めるためのプラグインです。

お問い合わせフォーム (例: Contact Form 7, WPForms
企業サイトに必須のお問い合わせ窓口を簡単に設置できます。項目を自由にカスタマイズでき、自動返信メールの設定なども可能です。

目次自動生成 (例: Table of Contents Plus
長い記事の場合、冒頭に目次を自動で表示させることで、ユーザーが読みたい箇所へすぐに移動できるようになり、利便性が向上します。

作って終わりじゃない。成果を出す企業サイトの運用ポイント

ウェブサイトは、公開してからが本当のスタートです。ただ存在するだけのサイトではなく、ビジネスの成長に貢献する「生きたサイト」にするためには、継続的な運用が欠かせません。ここでは、成果を出すために特に重要な2つの運用ポイントを解説します。

ユーザビリティを考慮したデザインの重要性

見た目が美しいだけでなく、「訪問者が必要な情報に迷わずたどり着けるか」というユーザビリティ(使いやすさ)が極めて重要です。例えば、「会社概要はどこ?」「問い合わせをしたいけどボタンが見つからない」といったストレスをユーザーに与えてしまうと、すぐにサイトから離脱してしまいます。グローバルナビゲーションの分かりやすさ、情報の整理整頓、ボタンの配置など、常にユーザー目線でサイトの改善を続けていくことが大切です。

継続的なSEO対策とコンテンツマーケティングの始め方

検索エンジン経由での安定した集客を目指すには、SEO対策が不可欠です。中でも重要なのが、自社のターゲット顧客にとって価値のある情報を継続的に発信していく「コンテンツマーケティング」です。WordPressのブログ機能を活用し、製品・サービスの活用法、業界の専門知識、顧客の課題を解決するノウハウといったコンテンツを定期的に追加していきましょう。こうした良質なコンテンツは、検索エンジンからの評価を高めるだけでなく、企業の専門性や信頼性をアピールすることにも繋がります。

WordPressによる企業サイトの構築・運用はYUTORIにお任せください

WordPressは、コストを抑えつつ高機能なサイトを構築できる強力なツールですが、そのポテンシャルを最大限に引き出すには専門的な知識や運用ノウハウが不可欠です。

株式会社YUTORIは、お客様のビジネスに”ゆとり”を提供することをミッションに掲げ、Webサイト制作からその後のマーケティング活動までをワンストップで支援します。

株式会社YUTORIの強み

Webクリエイティブ事業
企業の魅力やビジョンを最大限に引き出す、オリジナルのWebサイト制作やランディングページ制作を得意としています。サイトに必要なロゴやバナー、サムネイルのデザインも一貫して対応可能です。

マーケティング支援
サイト公開後の集客課題に対し、リスティング広告やSNS運用といったWebマーケティング戦略を駆使して成果に繋げます。

コンテンツ制作
サイトに掲載する企業PR動画や商品紹介動画、プロフェッショナルによる写真撮影も社内で対応可能です。

豊富な実績
2023年5月の設立から1年で、制作物の総合取引実績は100件を突破しました。ある大手企業様のプロジェクトでは、オウンドメディアの構築・最適化により応募単価を88%削減した実績もございます。

YUTORIは、「誠実/謙虚/感謝/挑戦を楽しむ」を企業理念とし、お客様をはじめ関わる全ての方の幸せを追求することを使命としています。WordPressサイトの構築や運用でお悩みの際は、ぜひ一度、YUTORIにご相談ください。

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