LP（ランディングページ）制作は、Webマーケティングの成果を最大化するための鍵となります。しかし、制作を外部に依頼しようと検討する際、多くのWeb担当者が「費用相場がいくらなのか」「なぜ会社によって見積もり額がこんなに違うのか」という疑問に直面します。
本記事では、LP制作の費用相場を「目的別の4つの価格帯」と「依頼先別の3タイプ」から解説します。さらに、費用を左右する具体的な内訳や、制作会社選びで失敗しないための選定ポイント、コストを賢く抑える方法まで、マーケティング担当者が知りたい情報を網羅的にご紹介します。自社の目的と予算に最適なパートナーを見つけるための指針としてご活用ください。
目的と予算で選ぶ「LP制作の費用相場」4つの価格帯
LP制作の費用は、一概に「いくら」と言えるものではありません。なぜなら、「何を目的とし、どこまでの成果を求めるか」によって、必要な作業範囲や品質が大きく異なるからです。ここでは、代表的な4つの価格帯別に、依頼できる内容の目安と、それぞれがどのような目的の企業に適しているかを解説します。
10万円以下（格安・テンプレートプラン）
既存のテンプレートデザインを使用し、テキストや画像を差し替えて作成するプランです。デザインの自由度は低いですが、制作スピードが早いのが特徴です。
「まずはLPを試してみたい」「短期間のキャンペーン告知用に、とにかく早くページが欲しい」といった場合に適しています。ただし、戦略設計や本格的なライティングは含まれないケースが多く、素材（テキストや画像）は自社で用意する必要があります。
10万円～30万円（オリジナルデザインプラン）
この価格帯では、テンプレートを使わないオリジナルのデザインでの制作が可能になります。企業のブランドイメージを反映させた、一定のクオリティが担保されます。
「テンプレートは避けたい」「競合と差別化できる最低限のLPが欲しい」という中小企業の多くがこのボリュームゾーンを選びます。簡単な構成案やライティングは含まれることもありますが、本格的な市場調査や戦略立案は別料金となることが多いです。
30万円～60万円（スタンダード・戦略プラン）
「成果にこだわりたい」と考える場合、この価格帯が一つの目安となります。単にページを作るだけでなく、制作前に市場調査や競合分析、ターゲット（ペルソナ）設定といった「戦略立案」のフェーズが含まれるのが特徴です。プロのライターによるキャッチコピーや本文のライティング、オリジナルイラストの作成など、コンテンツの質も高まります。
本格的にリード獲得を目指すBtoB企業や、主要商材のLPに適しています。
60万円以上（成果コミット・運用改善プラン）
60万円以上は、LP制作に加えて、公開後の「運用・改善（LPO）」までを見据えたハイエンドプランです。A/Bテストの実施、ヒートマップ分析、広告運用との連携など、コンバージョン率（CVR）を最大化するための施策がパッケージに含まれます。
「LPは作って終わりではない」ことを理解し、継続的なPDCAサイクルを回して成果を追求したい、予算に余裕のある企業向けと言えます。
LP制作の依頼先3タイプ別の費用相場とメリット・デメリット
LP制作の費用は、誰に依頼するかによっても大きく変動します。依頼先は大きく分けて「フリーランス」「中小規模の制作会社」「大手制作会社」の3タイプです。それぞれの費用相場と、依頼する際のメリット・デメリットを理解し、自社の状況に合った依頼先を選びましょう。
フリーランス（個人事業主）
費用相場
5万円～20万円
メリット
最大のメリットは費用を安く抑えられる点です。また、個人との直接やり取りになるため、意思疎通がスムーズで、スピーディーな対応や柔軟な調整が期待できる場合もあります。
デメリット
スキルや経験に個人差が非常に大きいため、依頼先の選定が困難です。得意分野（デザイン特化、コーディング特化など）が限られている場合も多く、戦略立案から運用まで幅広く任せるのは難しいケースがあります。
中小規模の制作会社
費用相場
20万円～50万円
メリット
費用と品質のバランスが最も良い選択肢と言えます。社内にデザイナー、コーダー、ディレクター等が在籍し、チーム体制で対応してくれるため、安定したクオリティが期待できます。特定の業界（BtoB、美容、不動産など）に特化している会社も多く、自社の業種とマッチすれば高い成果が見込めます。
デメリット
会社によって得意分野やスキルの差は依然として存在します。大手ほどの圧倒的な実績や、大規模な広告運用まで一括で担うリソースは持っていない場合があります。
大手制作会社
費用相場
50万円～100万円以上
メリット
高い品質と信頼性、豊富な実績が最大の強みです。LP制作だけでなく、Webマーケティング戦略全体、大規模な広告運用、ブランディングまで含めたトータルサポートが可能です。
デメリット
費用が非常に高額になります。また、関わる人数が多いため、フリーランスや中小企業に比べてコミュニケーションの階層が深くなり、意思決定や修正対応に時間がかかる傾向があります。
LP制作の費用が変わる「9つの要因」とは？（費用の内訳）
LP制作の見積もりを見たとき、「なぜこの金額になるのか？」を理解することは非常に重要です。LPは「デザイン」と「コーディング」だけでできているわけではありません。ここでは、制作費用を構成する9つの主要な要因（内訳）を解説します。どこにコストをかけるべきか判断する材料にしてください。
企画・戦略（市場調査・ターゲット分析）
成果の出るLPを作るには、誰に何を伝えるかという「企画・戦略」が不可欠です。市場調査、競合分析、ターゲット（ペルソナ）設定、LPのKPI設定などが含まれます。この工程を省略すれば費用は下がりますが、成果（コンバージョン）に直結する最も重要な部分であり、経験豊富なディレクターやマーケターが担当するため人件費も高くなります。
構成案・ライティング（コピーライティング）
企画・戦略をもとに、「どのような順序で情報を提示すればユーザーが行動してくれるか」を設計する「構成案（ワイヤーフレーム）」の作成費用です。また、ユーザーの心を動かすキャッチコピーや、説得力のある本文を作成する「ライティング」費用も含まれます。自社で原稿を用意すればこの費用は削減できますが、プロのコピーライターに依頼すると、CVR（コンバージョン率）に大きく影響します。
デザイン（テンプレート or オリジナル）
LPの「顔」となるデザインの費用です。既存の「テンプレート」を使用すれば安価ですが、デザインのカスタマイズ性は低くなります。一方、「オリジナル」でゼロからデザインを制作する場合は、デザイナーの工数がかかるため費用が高くなります。企業のブランディングや独自性を重視する場合、オリジナルデザインは必須です。
素材（写真撮影・動画制作の有無）
LP内で使用する写真やイラスト、動画などの素材費用です。フリー素材や安価なストックフォトを利用すればコストを抑えられますが、オリジナリティや説得力に欠ける場合があります。プロのカメラマンによる「写真撮影」や、モデルの手配、商品紹介やお客様の声の「動画制作」などを依頼する場合は、別途高額な費用が発生します。
コーディング（ページの長さ・複雑さ）
デザインデータをWebページとして閲覧できるようにする「コーディング（HTML/CSS/JavaScript）」の作業費用です。LPの「長さ（縦のスクロール量）」が長くなるほど、比例して工数がかかり費用が上がります。極端に短いLPと、非常に長いLPでは、コーディング費用に数万円の差が出ることがあります。
機能実装（フォーム、CMS、アニメーション）
標準的なLPにはない、特殊な機能を実装する際の費用です。例えば、「お問い合わせフォーム」の設置はほぼ必須ですが、その項目数や自動返信メールの設定などで費用が変わります。また、スクロールに合わせた「アニメーション（動き）」の実装、特定のセクションを自社で更新可能にする「CMS」の組み込みなどは、追加費用となります。
レスポンシブ（スマホ）対応
PC（パソコン）だけでなく、スマートフォンやタブレットでもデザインが崩れずに最適化されて表示されるようにする「レスポンシブ対応」の費用です。今やスマホからのアクセスが主流であり、レスポンシブ対応はほぼ必須と言えます。PC版とスマホ版の2種類のデザイン・コーディングを行う必要があるため、PC版のみの場合と比べて費用は高くなります。
ディレクション（進行管理）
プロジェクト全体の「進行管理」や「品質管理」を行うディレクターの人件費です。「ディレクション費用」として項目が立てられることも、各工程の費用に上乗せされていることもあります。戦略立案から各担当者への指示出し、クライアントとの窓口業務まで、プロジェクトの成否を握る重要な役割であり、総費用の10%～30%程度を占めるのが一般的です。
公開後の運用・改善（LPO・広告運用）
LPは「作って終わり」ではなく、「公開してからがスタート」です。公開後の成果を分析し、改善を加えていく「LPO（LP最適化）」や、LPへの流入を増やすための「Web広告運用」の費用です。これらは制作費用とは別に、月額の運用保守費用や広告運用代行手数料として発生します。
LP制作の依頼で失敗しないための選定ポイント
LP制作は費用が高額になることもあり、絶対に失敗したくありません。「安いから」という理由だけで依頼先を選ぶと、「デザインは良いが成果が出ない」「コミュニケーションが円滑に進まない」といった失敗に繋がります。ここでは、成果の出るLPを共に作り上げるパートナー選定のポイントを5つ紹介します。
自社の目的・予算・納期（RFP）を明確にする
制作会社に依頼する前に、まずは自社（発注側）の要求を明確にすることが最も重要です。「何のためにLPを作るのか（目的）」「いつまでに必要か（納期）」「いくらまで出せるか（予算）」を整理しましょう。可能であれば、これらの情報を「RFP（提案依頼書）」として文書にまとめることで、複数の制作会社に同じ条件で見積もりを依頼でき、比較検討が容易になります。
制作実績と「得意分野」が自社の商材とマッチしているか確認する
制作会社の実績（ポートフォリオ）を必ず確認しましょう。単に「デザインがおしゃれ」というだけでなく、「自社の業界（BtoB、EC、美容、不動産など）の制作実績があるか」「自社のターゲット層と近いLPを手がけているか」が重要です。デザインのテイストが自社のブランドイメージと合っているかも確認ポイントです。
担当者のヒアリング力とコミュニケーションは円滑か
打ち合わせの際、担当者（営業担当やディレクター）のコミュニケーション能力を注視しましょう。一方的に自社のサービスを説明するのではなく、こちらの要望やビジネスの課題を深く理解しようと「ヒアリング」してくれるかが重要です。また、質問へのレスポン-スの速さや、専門用語を多用せず分かりやすい言葉で説明してくれるかなど、円滑にやり取りできそうかを見極めましょう。
作業範囲は明確か
見積もりをもらったら、その金額に「どこからどこまでの作業が含まれているか」を徹底的に確認しましょう。「費用の内訳」で解説した各要素（ライティング、素材、フォーム実装など）が含まれているのか、別料金なのかを明確にします。「丸投げOK」と謳っていても、実際は原稿や素材はすべて自社用意、というケースもあります。契約前に作業範囲を定義し、認識の齟齬を防ぎましょう。
制作後のサポート体制（LPO、広告運用）は万全か
LPは公開後の運用・改善が成果を左右します。制作会社が「作りっぱなし」の納品型なのか、公開後の「LPO」や「広告運用」まで一貫してサポートしてくれる体制があるのかを確認しましょう。成果を追求するパートナーとして長期的に付き合っていきたい場合は、制作後のサポート体制の有無が重要な選定基準となります。
LP制作の費用を賢く抑える方法
LP制作にはこだわりたい、でも予算は限られている、というケースは多いでしょう。やみくもに値切るのではなく、賢くコストを抑える方法がいくつかあります。自社でできることと、プロに任せることの「選択と集中」がポイントです。
原稿（ライティング）と素材（写真）を自社で用意する
費用を抑える最も効果的な方法は、自社でできる作業を増やすことです。特に「ライティング（原稿）」と「素材（写真・イラスト）」は、制作会社に依頼すると人件費や撮影費がかかります。これらを自社で用意するだけで、制作会社側の工数を大幅に削減でき、コストダウンに繋がる可能性があります。
目的を絞り、シンプルなデザイン・機能に留める
「あれもこれも」と要望を詰め込むと、LPは長大になり、機能も複雑化し、費用は膨れ上がります。「このLPの最大の目的は何か（例：資料請求を1件でも多く獲る）」を明確にし、その目的達成に不要な要素は削ぎ落としましょう。複雑なアニメーションや、多機能なフォームを諦め、シンプルなデザイン・機能に留めることで、費用を抑えることができます。
補助金・助成金（IT導入補助金など）を活用する
企業のIT化やデジタル化を支援するための補助金・助成金が、LP制作に適用できる場合があります。代表的なものに「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」などがあります。申請には条件や手間がかかりますが、採択されれば制作費用の一部が補助されるため、大幅なコスト削減に繋がります。制作会社が補助金申請のサポートを行っている場合もあるため、相談してみると良いでしょう。
LP制作はYUTORIにお任せください
株式会社YUTORIは、企業の成長を支える総合パートナーとして 、Webクリエイティブ事業を展開しております。LP制作においては、単に美しいデザインに留まらず、お客様の商品やサービスの良さを最大限に引き出し、集客と売上アップに直結するページ作成を強みとしています。
また、LP制作に必要な写真撮影や動画制作 、さらには公開後のリスティング広告やSNS運用といったWebマーケティング支援まで 、ワンストップでの対応が可能です。会社創設1年で100件を超える制作実績 をもとに、お客様のビジネスに「ゆとり」を提供します。成果の出るLP制作をご検討の際は、ぜひ私たちにご相談ください。
